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1.貯水槽給水における各種回避策
■ 受水槽への給水に関連する各種現象
受水槽への給水に起因する各種「トラブル発生のおそれ」に関し、以下に列記します。
- 受水槽の片槽稼働:二槽の受水槽への給水管が、2基の定水位弁を介して1対1で受水槽に接続した配管形態(二弁二槽型の給水方式)では、片側の1槽へのみ給水され他方の水槽は「残塩ゼロ」となるおそれがあります。
- ウォータハンマ:受水槽への給水装置には、一般的に減圧弁は設置されていません。高水圧地区や給水引込口径に比して配水管口径が小さい場合等においては、受水槽施設の近隣配水管にウォータハンが発生するおそれがあります。
- 定水位弁の開閉頻度:定水位弁のパイロット管先端にボールタップを設置して定水位弁の開閉を制御する場合、ボールタップの種類によっては、その開閉頻度、すなわちボールタップの開閉と連動する定水位弁の開閉頻度が多くなる(30回/日 ~ 50回/日)おそれがあります。
上述の「トラブル発生のおそれ」に関する回避策を、以下に列記します。
- 受水槽の片槽稼働:二槽の受水槽への給水管を、1基の定水位弁を介して1対2で受水槽に接続した配管形態(一弁二槽型の給水方式)とすることにより、定水位弁の二次側の弁開度を調整すれば両側の水槽へ均等に給水することができ、片槽稼働を回避することができます。
- ウォータハンマ:受水槽への給水装置に減圧弁を設置し、必要以上の給水量が受水槽に流入しない策を講じます。減圧弁の設置位置を定水位弁直近一次側とし、減圧弁二次側の吐水量をその設定圧で調整することにより、過多な水量が受水槽へ流入することを防ぎ、定水位弁ON/OFF時のウォータハンマ発生を阻止することができます。結果、配水管におけるウォータハン発生を阻止することができます。
- 定水位弁の開閉頻度:定水位弁のパイロット管先端にON/OFF位置の調整可能なボールタップを設置して定水位弁の開閉を制御する策、または、定水位弁のパイロット管の途中に水槽内投入の電極棒と連動した電磁弁を設置する策により、その開閉頻度、すなわち定水位弁の開閉頻度を少なくすることができます。
貯水槽給水において、上述の「片槽稼働の発生」「ウォータハンの発生」「開閉頻度の過多」の回避策として、以下の配管要領図を参考にしていただければと思います。
定水位弁一次側に減圧弁設置 定水位弁は水位調整機能付ボールタップ
定水位弁一次側に減圧弁設置 定水位弁は電極制御[電磁弁]による水位調整
2.圧力の換算表
■ SI単位(国際単位系)
各分野における基礎となる数値の単位は、合理的で信頼度の高い実現性(再現性)をもつSI単位(国際単位系)となりました。
SI単位の採用に伴い、水道に関連する圧力の単位が【kgf/cm2】から【Pa】に変更となり、各種文献等もSI単位にて表記されるようになりました。
熟練の技術者にとっては頭の中での〔【Pa】を【kgf/cm2】に換算作業〕が必要な場合が時々あります。その際、有用なのが【圧力=水圧】の換算表です。
SI単位の採用に伴い、水道に関連する圧力の単位が【kgf/cm2】から【Pa】に変更となり、各種文献等もSI単位にて表記されるようになりました。
熟練の技術者にとっては頭の中での〔【Pa】を【kgf/cm2】に換算作業〕が必要な場合が時々あります。その際、有用なのが【圧力=水圧】の換算表です。
しかし、PCを使っての机上作業においては、この換算表を使うより、以下の「3.簡易計算グッズ」の「シート1.基礎知識」を使う方が便利であると思います。
3.簡易計算グッズ
■ SI単位への換算、給水引込口径、排泥管放水量他
各シートの計算概要は、以下の通りです。
№1:基礎知識 №4:FM吐水量 №6:排泥管放水量
すべての ■ 箇所に水圧・水頭値を入力するだけです。結果は、□ や表中に計算結果が表示されます。
№ | シート名 | 概 要 説 明 |
1 | 基礎知識 | SI単位(国際単位系)による『換算ツール』です。 「水頭」と「水圧」に関して、その説明がされています。 水圧;kPa➡mH2Oとkgf/cm2、MPa➡mH2Oとkgf/cm2、 水頭;mAq➡MPaとkgf/cm2が表示されます。 PCで本シートを使えば、上述の「圧力の換算表」は不要です。 重力加速度〔g〕=9.80665m/sec2にて計算しています。 |
2 | 管内径・ 流量 | 「管種」「口径」「流量」の入力により、管内の流速と動水勾配が表示されます。 同上の入力に加え、「管長」を入力すると管内損失値〔mAq〕が表示されます。 管種の『XXP』は、呼称口径を実内径とした場合の管種としています。すなわち、φ20は実内径20㎜、φ25は実内径25㎜とした仮想の管を指します。 |
3 | 給水引込 口径 | 集合住宅の「総戸数」や「水量」の入力により、瞬時最大水量値と、その水量に応じた管種別の対応口径・流速・動水勾配が表示されます。 |
4 | FM吐水量 | メーカーによる流量図は、両対数目盛のため非常に見辛いものです。 定水位弁の某メーカーによる流量図を基に、定水位弁の「口径」とその「水圧」の入力により、吐水量の概算値が表示されます。 |
5 | BT吐水量 | メーカーによる流量図は、両対数目盛のため非常に見辛いものです。 ボールタップの某メーカーによる流量図を基に、定水位弁の「口径」とその「水圧」の入力により、吐水量の概算値が表示されます。 |
6 | 排泥管 放水量 | 水道施設設計指針の「表―7.6.4排水管排水量の概算表」には、L=50mの場合の排水量が記載されています。 L=50m以外の「Ⅼ:管長」「d:口径」の数値入力により、概算の排水量算出結果が「表中」に表示されます。 |
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