『リスの杜』とは
◉ 事業の目的
新規事業としての『環境事業』は、弊社の主業務が水道関連事業であることから、「人」と「杜」をつなぐ活動をとおして環境保全活動に貢献し、水道事業の貴重な水源を守ることの一翼を担いたいと考え、2012年度(平成24年度)より実施することとなりました。
「緑のダム」の森林は、水源としての水を蓄え、山崩れを防ぎ、水をきれいにするなど様々な働きをします。しかし、植えた苗木が木材として利用できるようになるまでには、下刈り・除伐・枝切り・間伐などの手入れをしながら、40~50年以上の長い期間がかかります。
水源を後世にまで守っていくための活動の一翼に微力ながら参画できればという思いで、「森林からの贈り物」をとおして「森林を守る」事業を始めました。
■ 「日本で最も美しい村」連合に入会
NPO法人「日本で最も美しい村」連合
NPO法人「日本で最も美しい村」連合 に2015年(平成27年)4月に入会いたしました。
輝くオンリーワンを持つ農山村を、将来にわたって美しい地域であり続けるための活動を微力ですが支えるため、サポーター会員になりました。
『リスの杜』にて2015年(平成27年)8月、中部圏の水源を守る事業に参画いたしました。
◉ 木の実工房『リスの杜』について
木の実工房『リスの杜』は、「木曽山麓工房」として活動しています。
朝夕は工房の敷地内(標高1,105m)や御嶽山が綺麗に見える展望台(標高1,145m)他へ散歩に行き、春はカラマツやハンやアカマツなど、秋にはヒノキやドングリやクルミなどの自然からの贈り物を 『リス』 のように大切に拾い集めています。
花が咲き→ 木の実に成り→ 実の中の種を放出→ 実が熟成→ 木から落下→ 土に還ってしまう木の実ですが、自然からの恵みである木の実や幹・枝・皮・葉・根・種などの素材を組み合わせ、新たな造形美を持った装飾品を楽しく作っています。
木曽の樹木(木曽ヒノキ・白樺・エンジュ等)の除伐・枝切り・間伐などで生じた副産物の小枝や幹や木材は、「器」「飾り板」「ネイムプレート」などに加工して活用しています。
白樺の器、木曽ヒノキのネイムプレート等
白樺の器は木曽の大工さんに加工を依頼、角プレートは製材所からの加工端材、丸プレートは道の駅での購入品です。
ピラミーデ型のテーブル飾り
木曽の白樺をくり抜いて作った器に、木曽の「カラマツ」「ヒノキ」「アカマツ」等を『ピラミーデ型』に造ったテーブル飾りです。
ツオップ型の壁飾り
木曽の白樺やエンジを斜め切りして作った板に、木曽の「カラマツ」「ヒノキ」「アカマツ」等を『ツオップ型』に編み込んだ壁飾りです。
少しでも多くの方々に木の実などの放つ温もりなどの空気を感じていただき、末永くお楽しみいただければと願って、毎年、秋の『開 田 高 原 そば祭り』(間伐材や木の実を使った室内飾り作りの体験教室など)と『全 国 水 道 展』(粗品配布:木の実の吊り飾り)に出展していましたが、重度の腱鞘炎になり、『そば祭り』は2018年(平成30年)より一時お休みしています。また、『全国水道展』も新型コロナウィルスの感染拡大により2020年(令和2年)より延期となっています。
◉ 『リスの杜』の環境
「リスの杜」は、樹々たちの声に耳を傾け、「木の実」たちを集めて、クリスマスリース等の壁飾りやテーブル飾りなどを創りたいという思いで、冬季は厳しい環境となりますが、森に囲まれた『自然の森』を選択いたしました。
朝には『ヤマガラ』や『ゴジュウカラ』などがベランダで餌をせがんで鳴き、季節によっては「フクロウ」や「ウグイス」などの鳴き声で目が覚め、昼間には「アカゲラ」や「アオゲラ」の樹木や外壁をコンコン・コンコンとつつくこともある静かな・・???『自然の森の中』に建っています。
また、敷地には「カラマツ」「アカマツ」や「タチカヅラ」など、道路には「ハン」や「ドングリ」などの可愛い木の実が降り、工房を造る重要な選択肢である「森林からの贈り物」がすべて揃った環境です。
遊びに来る『小鳥くん』
カラマツ や ヒカゲノカズラ・タチカヅラ や ハン
下の駐車場
下の駐車場(2台分)から上の宅地地盤まで約10mの高低差があるため、日頃はあまり使用されず、「雑草」で栗石が見えないくらいです。
上の駐車場
同左の駐車場
同左駐車場の「レンガ囲い」の花壇の反対側に、2021年(令和3年)5月に「クサツゲ」を植えて、車でのアプローチをしやすくしました。
● トロッケンゲビンデ
- 2010年(H22年)から、木曽山麓で カラマツなどの可愛い木の実や白樺などの倒木・間伐材 に出会い、活用方法を考え始める。
- 2011年(H23年)春から、ドイチェフォルクスクンスト協会 〔代表 森本 禮子先生〕のトロッケンゲビンデの技法を分教室にて2年間学ぶ。
- 2013年(H25年)4月に講師資格を取得する。
ドイツ南西部のフライブルク地方に古くから伝わる身近な素材を活用した、素朴で格調高い民芸クラフトを作る技法の「トロッケンゲビンデ」には、乾燥ものを結ぶというという意味があります。
「トロッケンゲビンデ」とは、その名づけ親であり、私が師と仰ぐ森本禮子先生の造語です。
≪下準備≫
『トロッケンゲビンデ』作品の下準備は、以下のとおりです。
- 採取した「木の実」に付いた落ち葉やゴミを除いて、水洗いをします。 ドングリは煮沸消毒します。
- 洗った「木の実」を消毒します。一般的には煮沸消毒をします。
- 消毒した「木の実」をザルなどに入れて、再度、屋外で日光消毒・乾燥します。
- 乾燥した「木の実」に小枝や軸が付いていて不要な場合は、ハサミで切り落とします。
- 綺麗になった「木の実」を大きさに応じて分別収納します。
下 準 備 作 業
≪下ごしらえ≫
下 ご し ら え 作 業
≪作り方≫
トロッケンゲビンデの代表的な二つの形状の作り方について説明します。
【リース】
- 木の実の種類に適した太さのワイヤーで、一つ一つワイヤーをかけます。
- 木の実をバランスよく、ワイヤーのみで編み込みます。
- 形を整えて完成です。
【ピラミーデ】
- 上述のリースより短く太いワイヤーで、一つ一つワイヤーをかけます。
- 三角錐などのスチロールにバランスよく挿します。
- 形を整えて完成です。
「リース」「ピラミーデ」「ツオップ」の組み立て作業
≪作品例≫
森本先生の新刊本と、制作した作品を載せさせていただきます。
森本先生の新刊本 スプーンの壁飾り ヒノキいっぱいのピラミーデ 木曽馬の馬蹄の壁飾り
『リスの杜』では、夏期と冬期の温度差(木曽山麓工房では、年間温度差が45℃もあります。)等による木の実などの土台からの落下などを考慮し、「グルーガン」を使用していません。
リースやテーブル飾りなどの室内装飾品を作るにあたっては、野山の花や木の実だけではなく、幹・枝・皮・葉・根・種及びスパイスなどの素材を組み合わせ、(作品の一部にドイツ製の細い特殊な飾りワイヤーで作った綺麗で繊細なブリヨン花を使うこともあります。)その優しさや力強さ、愛らしさ、温もりなどを感じさせる新しい造形美を持った装飾品になるよう努め、見る方々に末永くお楽しみいただければと願っています。
● 深雪アートフラワー
深雪アートフラワーは、日本で飯田深雪先生(現在は三代目主宰飯田恵秀先生)が約70年前に命名した、「白い布を花びらや葉の形にカット、染色し、コテで表情をつけ、丁寧に作り上げ表現した」立体の絵画作品です。
- 2013年(H25年)10月から、白い布から作る「深雪アートフラワー」に出会い、分教室にて学び始める。
- 2018年(H30年)4月に師範資格を取得する。
- アートフラワーは非常に奥が深いため、師範取得後も名古屋の田島みどり先生のご指導の下、師範資格を持ち30年~40年もの長期に渡って教室に通い続けている大先輩の生徒さん達と一緒に、一番の新人生徒として楽しい時間を過ごさせていただいています。
≪下ごしらえ≫
『深雪アートフラワー』作品の下ごしらえは、以下のとおりです。
- 白い布を花びらや葉の形にカット(今回は説明を省略)します。
- 染料剤を色々調合し、布の「花びら」「葉」「茎」などを染色します。
- 染色した「花びら」「葉」「茎」などにコテをかけ、作品の部材を制作します。
- 作品の部材の裏に必要に応じ、細いワイヤーを貼ります。また、2枚の部材の間にワイヤーを貼ることもあります。
染色剤を調合 白い布を染色 コテをかけて整形 細いワイヤーを貼る
≪作品例≫
深雪アートフラワーで制作した作品を載せさせていただきます。
- 制作した部材を組合わせ、適した器等に盛ったり、挿したりします。
- バランスを考慮し、センスよく形を整えて完成です。
『リスの杜』では今後、敷地内でよく見かける以下の山野草の制作にも挑戦できればと思っています。
● ガヌテルフラワー
福岡市在中の西京子先生〔ブリヨンアートアカデミー【BAA】代表〕ご指導の下、2年間、ガヌテルフラワーコースを教わりました。
ガヌテルフラワーは、イタリアのシチリア島の南にあるマルタ島に古くから伝わる色彩豊かな伝統工芸です。
- 2016年(H28年)9月から、東京教室にて学び始める。
- 2018年(H30年)4月に講師資格を取得する。
ガヌテルフラワーの主材料は、細いワイヤーと刺繍糸です。
シルバーバニー
私が一番作りたかった「お散歩うさぎ」ちゃんです。
可愛く完成しました。
〔 BAA カルキュラム作品です。〕
● ジャパンガヌテル®
日本発祥の深雪アートフラワーと、日本の色彩豊かな絹糸で作ったイタリヤ発祥のガヌテルとをコラボレーションさせ、日本の名園/山里の風景/山野草などをモチーフとした「日本の美」「懐かしさ」「心の癒し」などが感じられるような作品を作って参りたいと思います。
この日本発祥の技法とイタリヤ発祥の技法とのコラボレーション作品は、今後、ジャパンガヌテル®と命名し、広く皆様に堪能していただければ幸いです。
その作り方は以下のとおりです。
≪下ごしらえ≫
『深雪アート』部材の下ごしらえは、上述の深雪アートフラワーの欄を参照してください。
『ガヌテル』部材の下ごしらえは、以下のとおりです。
- ワイヤーと絹糸をスピンドルという道具で撚り合わせて、カラーワイヤーを作ります。
- カラーワイヤーを使って、花びらなどの作品の部材を作ります。
1.スピンドルでの撚り 2.絹糸・撚ったワイヤー 3.花びらなどの部材
「桜」の作品には、サテンの刺繍糸では微妙な色違いを表現することが難しいため、国産の絹糸を使いました。
- 1. ワイヤーと絹糸を天井から下げ、双方をスピンドルで撚る。
- 2. 左から「カラフルな絹糸」「ワイヤーと絹糸とを撚ったカラーワイヤー」「金・銀の細いワイヤー」です。
- 3. カラーワイヤーで作った花びらや花弁などを組合わせ、新たな部材を作ります。見分け辛いですが、左から「薄い花」「中間色の花」「濃い花」となっています。
≪作品例≫
ジャパンガヌテル®の作品を載せさせていただきます。
- 制作した部材を組合わせ、立体額装の制作や、適した器などに盛ったり挿したりします。
- バランスを考慮し、センスよく形を整えて完成です。
組立てられた「満開の桜花」「スケルトンの桜花」「つぼみの桜花」
〔満開の桜花は3種類のグラデーション、つぼみの桜花は3種類の開度〕
『桜』
[53.5×32.5×14.0]
額内左側の一部拡大
国花である『桜』の花びらを表現したく、ガヌテルフラワーの新たな技法にて作成した作品です。
額には、『桜に雪輪』柄の『帯』と『漆板』で「和」を表現しました。
『兼六の春」
[45.5×36.5×8.5]
額内の一部拡大
深雪アートフラワーの技法での『葉』と『枝』と、ガヌテルの技法での『山桜』とを作りコラボレーションした作品です。
額には、兼六園の『ことじ灯籠』と兼六園に咲く清楚な旭桜『山桜』で、「兼六園の春」を表現しました。
額下の霞が池の水面には、舞い落ちた花びらが浮かんでいます。
● 新刊本に掲載
新管本『クラフト & フラワー 第5集』に、私達ガヌテルフラワー講師3人の作品が掲載されました。
新刊本の『クラフト&フラワー 第5集』の表紙
● 水道展のお土産作品
2014年度(平成26年度)の秋より、名古屋>さいたま>京都>高松>福岡>函館と、毎年各地開催の水道展においてお楽しみいただいていた『リスの杜』制作のお土産品は、以下の壁飾りや吊飾りなどです。
お問い合わせ
※ 営業のメール等はご遠慮してください。