施設視察報告書 2017.05.25
「三居沢発電所」の見学〔仙台市〕
視察の経緯
仙台市青葉区内に日本最初の水力発電の発祥地があることを知り、前年度に宮城県白石市に「給水装置工事設計施行指針」を納品した後の様子伺いを兼ねて訪問した翌日、市内バスで『三居沢発電所』を見学して参りました。
120年以上前の明治時代から今も働き続ける水力発電所です。
発電所の沿革
元々は、三居沢で営業していた「宮城紡績株式会社」が、それまで紡績機用として使用していた水車タービンに発電機を取り付けたことから、日本最初の水力発電となったとのことです。
発電所の建屋は、出力1000kWへ増強するために明治41(1908)年に現在の建屋(国指定登録有形文化財)に建替えられ、明治43年に運転開始。お隣には「三居沢電気百年館」という展示施設があり、館内には当時の発電機と同型の物が展示してありました。また、展示室からは、ガラス超しに発電所の建屋内の発電機等を見ることができるようになっていました。
あいにく訪れた日は、設備点検中であり、発電機は動いていませんでしたが、設備を点検する人たちが働いていました。
★ 施設外観他
発電所建屋(国指定登録有形文化財)
施設案内板
建屋内の水車発電機断面図
鉄管最下部の建屋入口
内径φ2,150~1,700の水圧鉄管
発電所内点検作業(ガラス越し)
採用されている「フランシス式水車」
2階テラスの「景観説明板」
★ 施設外観他
水圧鉄管は、内径2150~1700mmもあり、その高低差は約27mです。水車の羽根形式は、ライナ羽根に直接流水を作用させ回転させる水車で、中落差(20~200m)の発電所に最も一般的に採用されている「フランシス式水車」でした。ちなみに昨年、京都水道展の際に琵琶湖疏水記念館にて見学させていただいた水車は、「ペルトン式水車」でした。